【コラム】学びの環境は、親が選ぶ

慶楓会 小学校受験コース主任 松下健太です。

いよいよ8月もあと数日で終わりを迎えます。みなさまは、夏休みをどのようにお過ごしになられましたか?

あちらこちらのお教室を行脚して、夏期講習めぐりをなさった、という方もいらっしゃるかもしれません。そうした中、お教室の合宿や、サマーキャンプの類にお子さんを参加させた、というご家庭もおありでしょう。

今回は、今後の受験準備を進める上で是非知っておいていただきたい、学習環境の選択に関し、これまでにも何度かコラムで取り上げているキャンプ・体験活動の実施背景をふまえて、お伝えしたいと思います。

多くの教室で実施される宿泊体験

さて、冒頭で触れた合宿やサマーキャンプに関してですが、私の知る限り、個人〜中規模くらいの幼児教室の中には、期間の長短はあれども宿泊体験を実施しているところも多いように思います。ところが、慶楓会ほどに本腰を入れて体験活動を充実させているところは、他に無いと思います。キャンプを筆頭にした宿泊体験や、森遊びや田植えなどの通年で実施している日帰り活動も含めた、キャンプ・体験活動の充実ぶりは、慶楓会の非常に大きな特色です

このような本格的体験活動を、年間を通じて実施している理由には、子どもたちが親元を離れた集団生活を通じ、非常に大きな成長を見せることを我々指導者側が確信しているからです。

受験後も重視される体験活動と、広がる体験格差

実際のところ、受験を経た先で入学する国立・私立小学校の多くでは宿泊体験(学習指導要領に準拠した表現では、集団宿泊的行事)が重視されています。
また、国立小学校や私立小学校の先生方の中にも、教育キャンプの指導者としての活動をなさっている方が数多くいらっしゃいます。東京都私立初等学校協会の体育部会では野外活動を専門に研究されている先生方のグループもあるほどです。

国立・私立小学校で宿泊体験が重視されている理由としては、日常を離れた環境において、特に親元を離れて仲間と共に活動をする中で自立が促されると共に、生活圏内では見聞の難しい様々な事象に触れたり、あるいは体験的な学習の機会をもったりすることによる、高い教育効果が期待されるからに他なりません。

先日受け取った慶應義塾幼稚舎の同窓会報を読むと、これまでにイギリス、アメリカ、ハワイなどで実施してきた海外プログラムに加え、今後は伝統のラグビー部を起点にして、ニュージーランドの体験も加わるとのことでした。

誰もが知る一流校ではすでに海外研修に行くのは当たり前、それどころか複数の国や地域へのプログラムを誇る学校もある中で、今後、子どもたちの体験格差はどんどん開いていくと言えるでしょう。

体験活動を安全に実施するための精緻な配慮

さて、慶楓会では、こうした体験活動の持つ高い教育効果に対して非常に意識的であるため、これまでも充実したプログラムの運営を行ってきたことはすでに述べました。とは言え、体験活動を安全に行うにあたっては、たいへん精緻な配慮を要します。

時期や内容、目的を考慮した上での一次計画を経て、事前の下見、下見を踏まえた詳細計画の立案、計画に基づく人の配置や物の準備、交通・宿泊などの手配、企画の周知やお申し込みサイト等の作成、さらにはお申し込みへの個別のご対応や初参加の方の不安を払拭するためのご面談など、運営には非常に多くの力を注ぐことになります。

事前準備や、代替案を含む緻密な計画、当日における状況判断を伴う運営の実際を考えると、こうした体験活動を実施するためには高い専門性が求められることが容易にご想像いただけると思います。

しかしながら、世の中を見渡すと、こうした専門性に基づいた運営がなされているのか、疑問を抱かずにはいられないキャンプ・体験活動企画が多く目に入り、私はそのことに大きな危惧を抱いております。

運営団体には、旅行業登録が必須

そもそも、これはあまり一般には知られていない事柄ではあるのですが、キャンプや合宿のような宿泊体験を企画し、広く一般に参加者を集め、参加費を徴収した上で交通や宿泊を手配する事業は、国家資格である「旅行業務取扱管理者」の有資格者を営業所に専任で置き、事業所のある都道府県または観光庁に届け出を行った上で、旅行業者としての許認可を受けた団体しかできない「旅行業」に相当します。

しかるに、私の知る限り、かなり多くのスポーツクラブや、個人のお教室等を含む地域団体などが、無許可・無届けで旅行事業を行っているようです。

その点、慶楓会の運営母体である株式会社CH kidsは、東京都への旅行業登録を行い、全国旅行業協会に加盟した上で、法令を遵守した旅行企画を実施しております。(東京都知事 登録旅行業   第 2-8209 号)

なお旅行業登録のためには、先に述べた「旅行業務取扱管理者」資格の保有者の常駐のほか、旅行業法に定められた基準資産額を上まわる資産を有するほか、数百万円の供託金の納付が求められるなど、財政基盤としても厳しい基準が設けられています。これは、旅行中の事故等に備えた補償を間違いなく行えるようにするため、旅行者の保護を目的として講じられている施策であり、さら旅行業者の多くは、「日本旅行業協会」や「全国旅行業協会」といった旅行業界団体に加盟していることで、万が一の非常事態や事故が発生したときにも、組織力を背景にした適切な対応が可能になります。

そういった、法令遵守の観点は第一にクリアしなければならないことではあるのですが、その水準すら満たしていない多くの団体において、万が一にも事故が発生した場合など、一体どうするつもりなのか、これまでそういった運営母体に対して、私から直接ご指摘するということはしてはいないものの、SNS等で無邪気に合宿風景を投稿されているご様子を拝見しては、他所様ながら危うい運営にヒヤヒヤしています。

安全管理の基準と、教育的な働きかけの水準

法令遵守を果たした上で、次に気をつけたいのは、その団体の実施するキャンプ・体験活動が、どのような基準の安全管理を行なっているのかという点と、さらには教育的な働きかけの水準がどの程度かということです。

すでにご参加を重ねてくださっているご家庭はご存じのことかと存じますが、慶楓会小学校受験コースの主任を務める私、松下自身は、体験活動指導において、非常に高い専門性を有しております。

キャンプ指導に関しては現場の指導はもちろんのこと、キャンプ指導者養成の経歴も長く、(一社)日本オートキャンプ協会においてオートキャンプインストラクターを養成する指導者養成講習会において10年以上に渡り講師を務め、同講習会の教科書も執筆しており、同協会関東支部の理事も拝任しております。

子どもたちを安全に活動させるためには高い専門性を背景にしたディレクション、特に安全管理が必要であり、十分な配慮に基づいた指導を行える組織づくり、事前準備、当日のオペレーションが必要であることはすでに述べたとおりです。そしてこれらを高い水準で実現しながらキャンプ・体験活動の運営が行えるのは、慶楓会の大きな強みです。

引率メンバーの育成に見る、安全管理

徹底した安全管理を実施していることに関し、一例を引いてご説明すると、キャンプを引率するメンバーの育成が挙げられます。

当会のキャンプ・体験活動の組織構成においては、大きく分けると、キャンプの運営を取り仕切る「スタッフ」という役割と、子ども達のすぐそばで生活を支える「リーダー」としての役割があります。

このうち「スタッフ」は社員が務める一方で、「リーダー」に関しては、学生から社会人まで数多くのメンバーがリーダーファームとして在籍しております。中には、現役の医師や、ベネッセコーポレーション等の一流企業の従業員といった、身元のはっきりした優秀なメンバーが名を連ねています。

当会のリーダー養成にあたっては、春と秋の年2回のタイミングで新規メンバーを募っており、毎回100名以上の応募者の中から事前の書類選考により10名程度に絞り込んだ方とのみ直接お会いした上で、安全管理に特に重点を置いた研修に参加していただき、さらに研修受講後に実際にいくつかの活動に補助的な役割で参加していただく中でご性質を見極めるという、かなり厳密な選考過程を経て初めて「認定リーダー」として正式なメンバー参画を果たしていただいています。

このような微に入り細を穿つ配慮の下に引率人員を選考・養成し、人柄・能力共に信頼できるメンバーだけにリーダーとしてご同行いただいております。したがって、ディレクターがあらかじめ定めている様々な安全管理の手立てが現場でも間違いなくオペレーションされることになります。

生活のあらゆる面に施された教育的配慮

このような水準の高さは、安全管理の面のみならず教育的な配慮の面に関しても言うに及びません。

元、名門私立小学校の教員であり、現在は幼児教室慶楓会で日常的に幼児の指導に当たっている私にとっては、キャンプ運営にあたっては、子どもたちの生活の全ての面に教育的な仕掛けを施して計画・運営を行っていると言っても過言ではありません。

キャンプ生活の中では、興味深い活動をみんなで楽しむために守らないといけないルールやマナー、さらには個々人の自立に向けた努力が求められます。自分勝手な振る舞いや我儘を言っているだけでは、長い期間にわたって気持ちよく一緒に活動することはできません。

それは、入学後の学校生活でも全く同じことが言えます。集団生活の中では各自の「やってみたい」が全てかなえられるわけではありませんが、なるべく各自の興味関心に従った活動ができるように、子どもたちが一人ひとり、互いに配慮しながら生活する中で、できることがどんどんと増えていきます。

その枠組みに従って、子どもたちが自分にできる一生懸命を発揮し、さらに一緒に参加する小学生のお兄さんやお姉さん、リーダーたちにも助けてもらいながら少しずつ出来ることを増やしていく過程において、子どもたちは目覚ましい成長を遂げます。

また、「やってみようかな」という最初はやや消極的な思いであったものが周囲の励ましを受けて「やってみよう」という意志に変えられ、やがて「やってみたらできた!」という自信を育むことにつながっていきます。

このような教育的配慮は、ただなんとなくお泊まりに出かけた、というだけで培われるものではありません。ご家庭との密な連携をもとに、子どもたち一人ひとりをよく理解し、教育的な働きかけを好機を逃さずに行う指導が大切です。

適切な学びの環境を選択できるのは、保護者の方のみ

ここまで本記事をお読みいただいている賢明な皆様におかれましては、キャンプ・体験活動が一般的に高い教育的意義を有しているからと言っても、大切なお子様をお預けになる団体の選定をなさる際には、細心の注意深さが求められることについて、よくご理解いただけたかと存じます。

これから秋を迎え、年長さんはいよいよ考査の本番を迎えます。その一方で、年中以下の学年の皆様にとっても、試験までの残り時間がいよいよ切迫してきたとお感じになられるでしょう。

二度と戻らない幼少期に、大切なお子様をどのような環境で学ばせたいかについては、全ての保護者の方が意識を用いていらっしゃることと存じます。そのために普段は明晰な頭脳を発揮なさっていらっしゃるはずなのに、情報が閉じられがちな幼児の受験の渦中にいると、有象無象の中に紛れて、残念なことにいつの間にか冷静な判断を失ってしまっている方によく出会います。

お教室の中に設定された、非常に限定的な枠組みの中において「試験ウケ」するような形式的行動の型を身につけているだけでは、本当の意味でお子さんは育ちません。出来上がるのは、メッキを貼られたはりぼて然とした姿のみです。

また教室環境としても薄暗い雑居ビルに入居している教室などもってのほか、子どもたちの豊かな情操を育むためには、明るく、清潔で、温かみのある学習空間が欠かせません。

慶楓会は小手先のテクニックを身につけるだけの教育は行っていません。本質を大切にする慶楓会だからこそ、教育環境やその内容に非常に強くこだわっています。

子どもたちの本質を育てる教育にご関心をお持ちの方は、是非とも一度教室まで足をお運びいただき、あらゆる配慮が体現されている授業、体験活動へのご参加をなさってみてください。


小学校受験コース 主任講師 松下健太

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