2025年度
若葉会幼稚園 合格

はじめに
我が家は、若葉会幼稚園一本に絞って受験対策を進めてきました。
慶楓会さんのご指導は「どの園でも恥じることのない、立派なお子さんに育てる」という理念のもと、基礎から丁寧に教えていただきましたが、我が家は早生まれの息子で、なかなかうまくいかないことも多くありました。
また、私たちは夫婦で家業を営んでおり、常に仕事に追われているような状態。正直、最終試験まで安心して臨めるような準備万端!といえる状態ではありませんでした。
それでも、名門とされる園に合格できたことを踏まえ、私たち家族独自のアプローチも交えてお話できればと思います。
受験準備で苦労したこと
一番の苦労は、息子の性格とどう向き合うか、でした。
私は子どもの頃、親の言うことを素直に聞くタイプで、褒められれば行動に移せる、というのが当たり前でした。でも息子は正反対。落ち着きがなく、人の目をまったく気にしないタイプ。教室にも30分といられない状態からのスタートでした。「どうやったらやる気を引き出せるか」ばかりを模索する日々。
そこで私たちは、本人の性格を「明るく楽観的で、やりたいことにはとことん集中するタイプ」と前向きに捉えるようにし、モチベーションを“幼稚園そのもの”に向けることを意識しました。
例えば、下校時間に合わせて園の前を通るようにし、「お兄さんお姉さん、かっこいいね」「制服きれいだね」と、目の前の幼稚園に憧れを抱くように声をかけ続けました。そうして「この幼稚園に通いたい」という言葉が、本人の口から自然と出るようになりました。
面接練習も「ごっこ遊び」から
息子は椅子に1分も座っていられない子だったので、面接練習もかなり苦労しました。自宅に祖父母を呼んで模擬面接をしたり、家族で役割を入れ替えて“面接ごっこ”をしたりしました。
たとえば、息子に「好きな食べ物は何ですか?」と聞かせ、私が「ブロッコリーです。家では旬の野菜を大事にしているからです」と真面目に答えると、息子も「分かりました」とマネしてくれるように。遊びの中で「面接は、あなたのことを先生に伝えるための大事なお話の場なんだよ」と伝えると、少しずつ理解してくれました。
9月末から10月頃には、ようやく15分間、静かに座って面接練習に参加できるようになり、親の話にも耳を傾けてくれるようになりました。
生活習慣の定着も「目的意識」と共に
早生まれということもあり、パンツトレーニングも大変でしたが、「面接のときに必要だよ」と目的を繰り返し伝えたことで、なんとかクリアすることができました。
また、ハンカチ・ティッシュをポケットに入れる、靴を揃える、手洗いの方法など、丁寧な生活習慣の積み重ねも、時間はかかりましたが確実に成果が出たと思います。
集団遊びの試験対策での失敗と気づき
最初の頃、何も伝えずに集団遊びの試験練習に連れて行ってしまったとき、息子は「今日は違うことをやると思ってたのに」と大荒れで集中できませんでした。また、私も試験中に息子に声をかけすぎてしまい、見守る母親像から逸脱していたと反省しています。
園によって親の立ち振る舞いも見られるということを意識し、「園が求めている親の姿に自分を合わせる」努力が最後までできなかったことは、今も少し後悔しています。
面接対策は「夫婦の連携」と「引き出しづくり」
夫婦で面接に臨む際には、想定質問と回答を事前に共有し、補完し合う練習をしました。父親が「1番と2番の話をしたら、母親は3番を言う」など、役割分担をあらかじめ決めておくことで、当日うまく連携が取れました。
また、質問の意図を分類し、答えを“引き出し”として用意しておくことで、関連する問いにも臆せずに対応できました。たとえば「子どもにどう育ってほしいですか?」≒「名前の由来」などです。
受験を終えて
「息子が椅子に座れない」状態からのスタートだったため、9月〜10月末まで、我が家は追い込みの日々でした。
慶楓会の先生方は、私たちのような家庭にも最後まで寄り添い、愛をもって導いてくださいました。もし不合格だったとしても、この1年は私たちにとって大きな財産だったと心から思っています。