【コラム】-幼稚園別 合格者の実態に迫る- 暁星幼稚園に受かる子(2025年度最新版)

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新世界

例年、梅雨時期は湿度が高く、雨天に翻弄されるものの、紫陽花が雨雫に濡れる様子には格別な趣があります。
娘たちが幼い頃は、わざと水たまりを踏む感触や、はねる音を楽しみ、手が濡れることも厭わずに「かたつむりさんいるかな」と、紫陽花の葉の裏を一枚一枚めくって確かめていました。私のかばんの中には、娘たちのお着替え一式に加え、まるでドラえもんのポケットのように、虫の幼虫を入れる小さな容器やビニール袋、素手で捕まえるのが難しいときのための手袋などが入っており、まるで小さな探検隊のようでした。

私自身の幼少期には、母が虫や小さな生き物を苦手としていたこともあり、生き物を飼う習慣が家庭にはありませんでした。けれども、家族を持ち、田舎育ちの主人の影響もあって、わが家には多くの生き物が共に暮らすようになり、今でもメダカやカメ、犬たちは大切な家族です。世話をしたり、目が合ったときに話しかけたりすることが、私の日課になりました。

「一度は家庭を持ちなさい。離婚してもいいから」と、秘書室時代、仕事が天職だと感じ始めていた頃、当時勤めていた企業で、自ら仕事に一生を捧げた女性課長が笑いながらかけてくださった言葉を、今でも鮮明に記憶しています。

神さまが創られたすべての命あるものを慈しむ心を教えてくれたのは家族であり、その道に導いてくださったのは恩師との出会いでした。すべての物事が繋がり、自分の思いとは異なる出来事にも意味があるのだと受け止めたとき、それまで見たことのなかった新しい世界が、彩り豊かに広がっていくことを実感しております。
改めて、今ここに在ることに深い感謝の念を抱いています。

建学の精神

「困苦と欠乏に耐え、進んで鍛錬の道を選ぶ気力のある少年以外はこの門をくぐってはならない」
小学校の校門に掲げられているこの言葉こそが、暁星幼稚園を語り尽くすすべてであると言っても過言ではありません。
多様性や自由性が時に履き違えられているように感じられる昨今の世情において、「鍛える教育」を有言実行し、これほどまでに逞しく生きる力を誠実に育んでいる幼稚園は、他にあるだろうかと、感謝の念すら抱くほどです。

キリスト教の真理と愛に基づく人格形成を目指し、「自分を大切にする」「他者を大切にする」「神を大切にする」という3つの教育理念を土台に、社会福祉に努める人物の育成を目指しています。最終進路に医療従事者を目標とするご家庭が多いのは、まさに必然的な道理と言えるでしょう。

暁星幼稚園の母子像

暁星幼稚園の母子像を語るとき、私の脳裏に真っ先に浮かぶ光景があります。
妹の母子講習に同席していた、暁星幼稚園に通う兄の姿です。夏休み中でやむを得ず同伴し、妹の講習を端のほうで静かに見学しているはずでした。

しかし、まだたった5歳の幼稚園児ですから、だんだんと近づいてきて目を輝かせ、妹の制作に手を伸ばしかけたその瞬間、母親の「静かにしていなさい」という一言が飛びました。
すると、雷に打たれたかのような衝撃が彼の表情に現れ、みるみるうちに目に涙をため、自ら徐々に椅子を遠ざけていきました。泣くわけでは決してなく、涙を浮かべつつも黙って見守る様子がありました。

普段は大変美しい慈母のようなお母さまが、まるで地の底から湧き上がるような静かな声音で放ったその一言にスイッチが入り、たった5歳の男児が、自分のとるべき行動を考え、実行した姿に、私は暁星幼稚園が求める母子像を見た気がしました。

暁星幼稚園児のリアルな姿

昨年度、慶楓会から男児2名が受験し、2名とも合格という嬉しい報告がありました。
卒業生の保護者から届く園での様子は、まさに「白百合男児版」。身の回りのことはすべて自分で整え、ボタンの着脱に時間をかけない。本物に触れ、日常の情景を絵で表現できるようにする。折り紙の角が重なっていないことについて、降園時に直接ご指導があるほどの徹底ぶりです。

とはいえ、決して堅苦しい環境ではなく、外で思い切り遊ぶ自由時間が毎日あり、生き物を育ててお世話をし、愛情を注ぎ、先生方と園児がともに遊び、信頼関係を築く伝統は今も変わりません。

暁星幼稚園に受かる子ども像

暁星幼稚園は、幼稚園受験園の中でも「ペーパー難関校」という評判は依然として変わりません。
昨年も、10個以上の積み木操作、系列、数の操作、復唱、体操・リトミックなど、ペーパーだけができれば合格できる園ではなく、年齢に相応しい高度な運動能力や表現力の育成が肝要です。

附属の伝統園らしく、男児であっても求められる品性、基本的生活習慣の確立、社会規範を重んじる家庭で育てられていることが前提です。外遊びで暑くなっても上着を脱ぎっぱなしにせず、脱いだら自分で畳むことが当然とされるようなご家庭のなかで育てられたお子さまが求められていると、私は考えます。

お子さまが「できた/できない」ではなく、与えられた課題や自分のことは自分でやり遂げようとする確固たる意志の強さが育まれているお子さまこそ、初めて門をくぐることができる園です。

暁星幼稚園合格に向けた、慶楓会での指導

考査では、知育、体操実技に加えて、先生のお話に合わせて自由に表現するリトミックが毎年あります。
豊かな表現力はもちろんのこと、先生のお話を素直に受け入れ、楽しんで実践してみる「心の育ち」が問われていると考えています。

慶楓会の暁星園別講習では、ペーパーにとどまらず、体操、リトミック、絵画、制作、日常巧緻性などを満遍なく網羅し、全方位的に求められる高度な社会性、基本的生活習慣、表現力に磨きをかけることを目標としています。

カトリック教育を土台に、心と技の両面から豊かな人間性を育むことが、合格に向けた鍵です。
他者と交わり、赦し合い、共に学ぶ場である縦割りの総合クラスでは、異学年の男児たちが互いに切磋琢磨し、心身ともに磨きをかけていきます。
困苦に耐え、喜びを見出す絶好の場であることは、言うまでもありません。

執筆
慶楓会幼稚園受験主任講師 佐藤浩子

今回のコラムでは、「暁星幼稚園に受かる子」をテーマとして、求められるお姿をお知らせさせていただきました。実際の授業では、ここでは書き尽くすことができないさらに細やかな点に踏み込み、保護者の皆様にお伝えを行わせていただいております。

本コラムをお読みくださった皆様にも、是非とも一度、実際の授業をご体験いただきたく、体験授業をお申し込みいただけますと幸いに存じます。

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