【コラム】小さな勇者たち
慶楓会 幼稚園受験コース主任講師の佐藤です。
多様性の原点
11月の声を聞いた途端に、朝夕の寒暖差が激しくなり、木々の葉も様々な色に染めあがって参りました。多様性と何かと叫ばれる昨今ではありますが、こんなにも身近な自然が多様性に富んでいる姿を毎年変わらず私たちに見せてくれていることに、新鮮な気持ちで心弾む気づきがあります。何気ない小さなありきたりの日常の中にこそ喜びと感謝が感じられる毎日を過ごさせて頂いております。
今は大学生と高校生となり、一緒に手を繋いで歩くこともなくなり、娘たちが幼き頃は毎日のお散歩の中で、土をける小気味よい足音が、かさかさと落ち葉を踏みならす足音に変わり、季節の変化を子供目線で、五感で共に楽しんでいた頃を懐かしく思い出します。自然は太古から変わることなく私たちのそばにいつもそっと寄り添い、多くの喜びと恵みを与えて下さり、褒められずともそこにいて下さる存在であり、学ぶことばかりです。
慶楓会の小さな勇者たち
そして、私たち大人の一番の師は、小さな勇者たちです。9月からスタート致しました幼稚園受験はお陰様で今年度も小さな勇者たちの活躍のお陰様で、無事に終えることが出来ました。先生にご心配をかけるからと知らせず、前日まで熱を出していたにも関わらず、感染症ではなく、娘もお姉さん幼稚園にいく、と自らの意思で向かったご家族様。風邪を拗らせ、肺炎になり数日入院し、面接に間に合った小さな勇者。たった2,3年の経験値の中で、勇気を振り絞り、お父様お母様と共に戦ってきてくれた多くの小さな勇者たちは、結果は大人の都合であり、全員が頑張った金メダリストであり、大いなる賞賛の言葉しかありません。
そして、今この一瞬を精一杯生きることを教えてくれるのも小さな勇者たちです。
幼児教育の原点でもある、「目はかけても、手はかけない」、個の内なる輝きを信じる大切さを存在そのもので教えてくれるのも小さな勇者たちです。
回り道
慶楓会の生徒様の多くは、志望園が最難関であり、倍率がある以上、全員が合格とはならず、合否は無常です。しかしながら、何が悪かった、何が足りなかったではないと私は感じています。試験当日まで、小さな手をひき、暑い日も寒い日も必死に日常生活を送りご準備されていたご家族様一丸の頑張りは称賛に値し、今は実りが目には見えないかもしれませんが、流した涙が太い根となり大地に広く深く根を張り巡らしています。この先どんな困苦があろうと、しなっても決して折れない根っここそ、ご両親様が、私たち大人が、小さな勇者たちに贈る最大のプレゼントであると私は信じています。
根っこが太ければ太いほど、大きな立派な実をつけます。
自然の摂理に抗うことなく、時期を楽しみに待ちたいと存じます。
新小さな勇者たち
慶楓会では新年度がスタート致しました。今年のお友達は、小さな勇者たちの成長が常に身近にあり、お兄さん、お姉さんに憧れをもって共に過ごしてきた生徒たちです。もう、来ないの?と、時に寂しそうに話すほどです。
しかしながら、日々の授業では我こそが新小さな勇者となるべく、どのお子様もその子らしく、お子様らしく、伸びやかに、励んでいます。
最近は少しずつ新小さな勇者たちに、弟、妹の生徒様が増えてまいりました。 縦割りのなかで、自分たちが教えてもらったこと、嬉しかったことを、自然と受け継ぐ姿を見守る日常に心より感謝し、私ども慶楓会の小さいことを最大の強みに、ご両親様のそれぞれの思いに寄り添う日々を過ごして参りたいと心から願っております。
執筆
幼稚園受験コース 主任講師 佐藤浩子
体験授業・ご面談も随時承ります