【コラム】総合クラスの育み

縦割り総合クラス

私ども慶楓会では、志望園合格はゴールではなく受験の先にあるお子様のよりよい育ちを何よりも一番大切にしています。慶楓会幼稚園受験の数あるクラスの中でも、この縦割り総合クラスこそが、慶楓会発足以来途切れることなく毎年確実に最難関園に複数名合格を継続している、言わば合格実績の源と断言します。

総合クラスは１５０分の授業の中で、モンテッソーリのお仕事を通して、自分のことは自分でする自立自助の力を育むため、おおよそ１歳半頃の歩行の安定したお子様が自らの足で棚のお仕事を選びにいき、自分で運び、お仕事を行い、集中力と達成感を育み、最後は次のお友達のためにお片づけをし、元の場所に戻すことを通して、周囲への配慮、思いやりの心を環境から自然と学んでいます。最初は講師が補助をし、お仕事を時に提供し、一人一人のお子様の今この一瞬の興味を見逃さず、育むべき力を見極め、お子様自身が一連のお仕事の流れの中で自身の内なる成長の賜物を自ら輝かせ育むお手伝いを、きめ細やかに指導しております。

また、体を動かす運動、リトミックではお子様らしい伸びやかな表現力を育み、仲間と共に自分の体を自在に操る楽しさを大切に、喜んで待つこと、楽しんで参加すること、自分が自分らしくあることを大事に導いております。

お弁当の時間では、楽しく食べることは勿論ですが、日に３度当たり前にある食事を通して、その先にある「命を頂くこと」を伝えることを一番の軸としています。 未就園のお子様にとりましては、静かに座ること、好き嫌いなく食すことは大人が思う以上にハードルが高く、途中立ち歩いたり、嫌いなものは口から吐き出したり、最後にはひっくり返って泣いて我を通そうとするなど、この年齢には誰もが通る道であり、その行動は好ましいことではありませんがお子様自身の本質はどのお子様も素晴らしい賜物であることを、教師一同心に刻み向き合っています。

その上で、みんなが揃うまで待つ、お食事中には立たない、トイレは手を洗う時にお食事前に行っておこうね。お野菜も嫌いって言われたら悲しいね。一口は食べてみようか。などと誘いながら、叱るのではなく忍耐強く何度も諭し、慶楓会ならではのきめ細やかな視点でお子様と向き合っております。お子様の小さな課題なども保護者様と深い信頼関係のもと共有し、その上でご家庭でのご対応、環境づくりにもご協力頂いております。保護者様と私ども慶楓会が同じ方向を見てお子様の今日よりも明日のよりよい育ちを支えていらっしゃることに、心から感謝しています。

慶楓会に通うまでは食事中に立ち歩く、口から吐き出す、嫌なことは物を投げるなど、躾において困難なことが、慶楓会に通い始めて見違えるような成長を見せるようになったお子様のご様子を心から喜んで下さる保護者様と喜びを分かち合えることが私どもの最上の喜びであると実感し、保護者様と私ども慶楓会の両輪、これこそが合格への道と確信しております。

受験とは

とかく受験となりますと、合格するためにという視点に囚われ、他のお子様と比較し、我が子の出来ないことばかり負の要素に目がいき、保護者様もお子様も表情が硬くなり追い詰められ悲壮感漂う姿を、私は大手の幼児教室にいた時に何度も目の当たりにしてまいりました。
受験は人を変えるという言葉を耳にしたことがありますが、「なんで出来ないの、と娘の首を絞めたくなりました。そんな自分が悲しい」と涙し話されていたお母様を見かけたことがあります。今でもその光景を思い出しますと、本当に心が痛く苦しい気持ちになります。
本来受験は、我が子のよりよい未来のため、より良い環境構築のため、たった２，３歳のお子様の小さな手を引いて歩み始めたのが原点だったはずです。

幼児教室の講師をしていながらこのようなことを申し上げるのは憚られますが、慶楓会にお通いのどのご家庭の保護者様、お子様をみても、絶対最難関園に合格しないと明るい未来がないわけもなく、きっとどのような道を選択しようとも、すべてのご家庭には輝かしい天に祝福される明るい未来が待ち受けていると確信しております。

そのうえで、受験という選択をした私たち大人が先ず心して刻まなければならないことは、この道を子どもたちが自ら選択したのではない、だからこそ子ども本来の子どもらしさを断じて失うことはあってはならない。この時期だからこそ再度心に深く刻む時と心得ます。

面接から

・子育てで大切にしていることは何ですか

・家庭教育で育まれることは何だとお考えですか

・この３、４歳という時期だからこそ育みたいことは何ですか

・思いやりの心をどのように育んでいますか。実践していることをお話しください

私ども慶楓会の総合クラスにて育まれるもの、育みたいものがお答えのすべてであると確固たる自信をもってお伝えします。

執筆
慶楓会幼稚園受験主任講師　佐藤浩子