【コラム】考査本番を迎える保護者の方へお伝えしたいこと

10月末、いよいよ11月1日まで数日となり、親御様も緊張感が高まっていらっしゃることと存じます。

埼玉や神奈川など、東京近県の考査はすでに終了しているところが多く、また都内の学校でも事前面接が行われる学校は、すでに面接試験を終えられている方も多いかと存じます。

そうした中で、お子様の考査本番まで、残り数日をどのような心境で過ごせば良いのか、気持ちばかり急いてしまうという方も少なくないでしょう。それでも、私どもから申すまでもなく、今の時点からジタバタと動き回っても仕方がないことは、親御様もよくご存知のはずです。今の時期、何をすべきか、どのような心構えでいるべきかを、ご一緒に考えてみたいと思います。

ペーパーは、基礎から標準レベルの問題を

まず日々の学習は、これまで通りのリズムを保ちましょう。

特にペーパーの内容面では比較的難易度の緩やかな基礎から標準レベルの問題を、なるべく浅く広く当たっておくことです。たしかに高難易度の問題が部分的に含まれる学校も確かに存在はしますが、そのような学校であれ、標準的な難易度の問題が問われがちな学校であれ、いずれも絶対に落としてはいけない問題は、やはり基礎から標準レベルの難易度の問題です。これらを、短い時間で確実に正答できるように、出題、問われ方の形式を思い出せるようにすることを主眼とする復習を心がけるようになさってください。

工作・絵画は、巧みさよりも経験の言語化

また工作や絵画をなさる場合にも、これまでの経験をよく思い出し、言語化できるようにしておくことが大切です。絵の上手さ、工作の巧みさよりも、丁寧に用具を扱い、自分が描いたり作ったりしようとするものに対する、自分なりの考えや関心、これまでの経験を、人に伝えられるようにするコミュニケーションの姿勢を大切になさってください。

運動は、力の発揮の仕方に気を付ける

運動では、一定程度の技能はこれまでに培ってきているかと思いますので、そのパフォーマンスを最大化するため、指示をよく聞き取り、自らの動作に活かすこと、周囲の状況を見て在すべきこととそうでないことをよく判断すること、さらにはうまくいかないことがあったとしても最後まで諦めずに力を尽くすことが大切であるという考えを、改めて保護者の方からお子様方にお伝えになってください。列に並んだりする時も決して一番になることが大切なのではなく、時には人に譲ること、また運動の中では、たとえ苦手な課題であったりや失敗をしてしまったと感じるようなことがあったとしても、それらに対しても自分の持つ力を最大限発揮して、楽しみながら取り組むことがいかに大切であるかということを、ご両親の言葉や表情で教えてあげるようになさってください。

慶楓会の授業での子どもの発言

先日の慶楓会の授業の中では、自分たちで音楽に合わせて振り付けを考えるという課題を行いました。その際、子どもたちの様子をビデオで撮り、後からその様子を自分たちで見て振り返るという形式での活動を行いました。

「自分たちの様子を見て、ここがよかったと思うことを教えてください」と尋ねると、

「手足がよく伸びていた」「動きが合っていた」といった、振り付けの動きそのものについての意見が出るとともに「楽しそうなお顔で踊っていた」と発言する子がいました。

「よかったと思うこと」を問うて「楽しそうな様子」を答える子どもたちに育てられていることを、私自身、とても嬉しく感じた次第です。

学ぶことそのものに価値を見出せる子どもへ

表面的な行動が、どれだけ「望ましい」といわれるような振る舞いであったとしても、
その根底にある子どもたちの能動的、積極的、前向きなものの見方や価値観がともなっていなければ、それは単にプログラムされた動作を繰り返すロボットと同じでしかありません。

小学校入学後も、子どもたちが学ぶことそのものに価値を見出すとともに、学びへ向かう喜びが、さらに次の学びにつながっていくような姿勢を育むこと、こうした育みは、まもなく小学校への入学を控える幼児にとって非常に大切な姿勢であると考えます。

今後の成長に向けた人間性を培うことが大切

入学考査においても、小学校の先生方は、学習規律を保つための一定の約束事、他者意識を伴う振る舞いは大切であるものの、やはり形式的な動作よりもその子の内面がいかに今後の成長に向けて耕されているかを重視してご覧になっています。

またご家庭においても、幼児期の今もそうですが小学校入学以降も、知識をたくさん詰め込んだり、計算の処理を速くすることだけが学力であると思い込むことのないようになさってください。自らの力を場面に合わせて適切に役立てることのできるだけの、論理と情意を用いた判断を行う人間性や倫理観を育むことを大切にする価値観をお持ちいただけることを願っています。

慶楓会の授業での子どもの姿

多くの学校の入学考査では、入学を許可される人数を遥かに超える数の受験生が集まるので、希望通りの学校から入学許可を得られる方の方がむしろ少数です。初めから希望していた学校への入学を果たすことができる方もいれば、反対に、当初の思惑とは異なる学校への進学を行う可能性もあります。

そうした中にあって水を差すようですが、親が良かれと思って選んだ学校が、必ずしもお子様にとっては喜びの毎日につながるわけではないかもしれません。たくさんの学校を受験したとしても、最終的にお子様が通う学校は一つであり、導かれた学校に通うことを喜ぶ親の姿勢を見せることが、お子様にとって、学校に通う毎日を明るい笑顔で歩んでいくために最も必要な事柄と思います。

子ども自身が社会生活を送る上で必要な振る舞いを教える責任を果たした上で、子どもの声に耳を傾け、親の価値観を押し付けることなく、その子の主体的な学びの姿勢を支えていく親御様であれば、将来に向けて過度な心配を抱かれる必要はまったくないでしょう。

「楽しそうな自分」を肯定できる姿勢を持って

「自分の良いところは、楽しそうなこと」

自信を持ってこのような言葉を発することができるお子様でいられるか否かは、親御様も一緒に、そうした前向きな子どもの姿を喜べるかどうかにかかっているとも言えます。

「ヘラヘラしてないで、さっさと○○しなさい!!!」と叫びたくなっても、吊り上げた目を引き下げて、子どもが目の前の事物や事象に肯定的に向かっていく姿を共に応援する心の余裕を抱いていただけますように。

特に、入学考査の当日を迎えるこれからの数日間、親御様には温かい気持ちをもって、子どもたちを優しく包んであげていただきたいと願います。

執筆
慶楓会 小学校受験コース担当講師 吉岡未来

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