【コラム】考査まで残り2ヶ月の過ごし方

皆さん、こんにちは。

慶楓会小学校受験コース主任の、松下健太です。

8月が終わりに近づき、夏の暑さも少しずつ和らいできました。受験を控えるご家庭にとって、この季節は特別な意味を持つ時期です。残り2ヶ月で迎える入学考査に向けて、親子で取り組んできた努力の成果を最大限に発揮するためには、今後の過ごし方が非常に重要です。ここまで一緒に歩んできた道のりを振り返りながら、最後の仕上げとして何をすべきか、どのように日々を過ごすべきかを考えてみましょう。

受験を控えると、親御様も不安や焦りが募ることがあるでしょう。特に考査が近づくにつれ、子どもたちに対する期待やプレッシャーが増すことは避けられません。しかし、子どもたちの心身の健康を第一に考え、無理のない範囲で、そして日常生活を大切にしながら準備を進めることが求められます。このコラムでは、考査までの2ヶ月間をどのように過ごすべきかについて、具体的なアドバイスをお届けします。

もくじ

学習面のポイント

基礎から標準レベルの復習を重視

考査において、ペーパー試験は重要な要素の一つです。しかしながら、受験本番では、これまで取り組んできた全ての知識を一度に出し切ることができるわけではありません。そのため、残りの2ヶ月間で重要なのは、これまで学んできた内容を基礎からしっかりと復習することです。

特にペーパー試験においては、基礎的な問題を短時間で確実に解けることが非常に重要です。高難易度の問題に挑戦することも時には必要ですが、まずは基礎から標準レベルの問題を完璧にこなせるようにしておくことが求められます。基礎から標準レベルの問題は、どの学校でも出題される可能性が高く、これらの問題を確実に解けることが、合格への大きな一歩となるでしょう。

また、基礎問題に取り組む際には、単に解答を出すだけでなく、問題の形式や出題意図を親御様が理解することが重要です。なぜこの問題が出題されるのか、どのような考え方で解くべきかを考えながら取り組むことで、親御様からお子様への働きかけも変わってきます。具体的には、小学校での学びにどのように接続していくものなのかを考えてみると良いでしょう。こうした意識を持ちながら学習を重ねることにより、お子様の理解も深まり、試験本番での対応力を身につけることができます。その上で、親御様は、子どもが苦手とする分野を見極め、その部分に重点を置いた復習をサポートしてあげると良いでしょう。

工作・絵画の準備

考査では、工作や絵画の試験が行われる学校も多くあります。これらの試験では、子どもたちの技術的な能力だけでなく、創造力や表現力が問われます。しかしながら、試験において最も重要なのは、巧みさや上手さではなく、これまでの経験をどれだけ活かし、それを言葉で説明できるかという点です。

工作や絵画に取り組む際には、ただ作品を作るのではなく、その過程や結果について考え、表現できるようにすることが大切です。たとえば、なぜこの形にしたのか、どのような色を選んだのか、どのような気持ちで作ったのかを整理し、自分の言葉で説明できるように練習しましょう。

さらに、親御様も一緒に作品を鑑賞しながら、子どもたちの考えを引き出す質問を投げかけると良いでしょう。「どうしてこの色を選んだの?」や「この部分を作るのに苦労したところはどこかな?」といった質問を通じて、子どもたちが自分の作品について深く考え、それを他者に伝える力を養う手助けをしてあげてください。

心構えと生活習慣

抑制の精神を養う

受験考査では、子どもたちに静かに待つ時間や、集中して取り組むことが求められます。このような場面で求められるのが、抑制の精神です。日々の生活の中で、この抑制の精神を自然と働かせることができるようになるためには、親御様が意識してその機会を設けることが重要です。

たとえば、遊びたい気持ちを抑えて家事を手伝うといった、小さなチャレンジを通じて、自律性を育むことができます。このような経験を通じて、子どもたちは自分の感情をコントロールし、必要な時に自分を律することができるようになります。

一方で、子どもたちがのびのびと過ごす時間も非常に大切です。毎日ペーパーに明け暮れるといった生活は避け、メリハリのある日々を過ごすことが、子どもたちの精神的な安定を図る上で欠かせません。自由な時間や遊びの時間を通じて、子どもたちがリラックスし、次の日の学びに向けてのエネルギーを蓄えることができるようサポートしてあげましょう。

冷静な態度を保つ

受験が近づくにつれ、どうしても焦りや不安が募るものです。しかし、親御様が冷静であることが、子どもたちにとっても大きな支えとなります。子どもは親の感情に敏感に反応しますので、親御様が落ち着いて対処することで、子どもたちも安心して試験に臨むことができます。

毎日の生活リズムを保ち、いつも通りのルーティンを続けることが、子どもにとっての安心感を生む一助となります。特に睡眠時間や食事の時間を規則正しく保つことで、子どもたちの体調を整え、最高のパフォーマンスを発揮できるようにしましょう。

また、試験前には「できる限りのことはやった」という自信を持たせることが大切です。親御様が子どもに対して「あなたならできる」と信じて送り出すことで、子どもたちは自分自身に自信を持ち、安心して考査に挑むことができます。

行動観察とコミュニケーション

行動観察の重要性

考査の中で、行動観察の試験は特に重要なポイントです。試験官は、子どもたちがどのように集団で行動し、他者と協力できるかを細かく観察します。そのため、親御様は日常生活の中で、子どもたちがどのように他者と関わり、どのような態度を取っているかを確認し、積極的にサポートを行いましょう。

特に、待機中の態度や指示を受ける際の反応が、評価の対象となります。家族との日常的な会話や、友人との遊びの中で、他者を思いやる姿勢や、指示を正確に理解して行動する力を養うことが大切です。これにより、子どもたちは試験本番での緊張した状況でも、普段通りの自分を発揮できるようになります。

コミュニケーションスキルの向上

コミュニケーションスキルは、考査において非常に重要な要素です。子どもたちは、試験官からの質問に対して的確に答えることが求められます。そのため、家族や友人との日常的な会話を通じて、質問に対する応答力を養うことが大切です。

親御様は、子どもたちに対して「どうしてそう思ったの?」や「これはどうやって作ったの?」といった質問を投げかけ、子どもが自分の考えを整理して答える練習を促しましょう。試験の形式を意識するのではなく、日常の自然なやりとりを通じて表現力を養うことにより、子どもたちは試験本番で、緊張することなく、自分の考えをしっかりと伝えることができるようになります。

また、他者とのコミュニケーションを通じて、論理的な思考力や、相手の立場を理解しながら意見を述べる力を育むことも重要です。これらのスキルは、考査だけでなく、今後の学校生活や社会生活においても大いに役立つでしょう。

親子の絆を深める時間

共に過ごす時間を大切に

考査が近づくこの時期、親子の絆をさらに深める時間を大切にしてください。親御様が子どもたちと一緒に過ごし、温かいコミュニケーションを取ることが、子どもたちの安心感や自信を支える大きな力となります。

一緒に過ごす時間を通じて、子どもたちが何を感じ、何を考えているのかを知ることができ、親御様としても、子どもたちの本音や不安を理解し、適切なサポートを提供することができるようになります。この時期に、親子の絆を大切に考えた時間を過ごすことで、子どもたちは自分の力を信じて、考査に挑むことができるでしょう。

親子で一緒に過ごす時間は、学習の時間を確保するということだけではありません。心から楽しんで過ごす遊びやリラックスの時間も含めることが重要です。こうした日々を過ごすことにより、子どもたちが試験に向けてのエネルギーを蓄え、精神的な安定を保ちながら、ポジティブな気持ちで試験に臨むことができるようになります。

この2ヶ月が合否を左右する

受験本番までの2ヶ月間は、焦りや不安に流されず、計画的かつ冷静に過ごすことが求められます。親御様が冷静であることが、子どもたちにとっての大きな支えとなり、安心して考査に臨むことができるでしょう。

基礎的な学習の見直しと、日常生活における抑制の精神を養うこと、そして親子で過ごす時間を大切にすることで、子どもたちは自信を持って考査に挑むことができます。この2ヶ月を大切に過ごし、親子共に成長しながら、考査に向けての準備を整えていきましょう。

執筆
慶楓会 小学校受験コース 主任 松下健太

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