【コラム】決戦を前に

もくじ

考え続けること

戦争、地球温暖化、テロ、飢餓、猛暑の夏、頻繁な台風と天災、そのような現実問題を思うとき、自分の無力さに大きなため息を飲み込み、息を潜めたくなる衝動にかられる時は恐らく誰にでも経験があると思います。地球規模の問題はあまりに大きく、それを解決するにはあまりにもちっぽけで、目を背けると言うより、考えることに意味が見いだせないような気持ちになるからではないかと感じています。

「目に見えないものを想像する力」よく耳にするフレーズですが、果たして想像性、共感性の本質が自分の中に本当に育まれているのか、更には、当事者でないとしょせん分かりあえるはずがないと思考が停止し、目の前のシャッターが降りる瞬間に、「共感力」も「献身」もうわべだけの見せかけ、めっきではないかと無力感に苛まれる時もあります。

初夏から秋にかけ毎日曜日ごと出勤となり、教会から足が遠退き、熱心ではないカトリック信者の私ですが、そんな心に余裕がない時に思い出す聖書の一話「ぶどう園の労働者」のお話があります。
一日中働いた労働者も、1時間働いた労働者も同じ賃金をもらうたとえ話です。最初にこのたとえ話を聞いた時は、腑に落ちない不公平感が残りました。ある時ごミサの中で神父様が「このお金を命だと捉えてみてはどうでしょう」とお話くださいました。

命は長さではなく、生き方、物の見方であると気づかされた瞬間に、以前とは全く異なる景色に変わりました。
思いがけなく儚い生命も、今年の2月に旅立った私の父も、共に尊いひとつの命の恵みであり、その存在のお陰で周囲に愛と思い出が満ち、存在がそこに見えなくとも支え満たしてくれる現実こそが真理であると気づかされます。

ありのままを受け入れ、一瞬を見逃さず全力で生きていくことを誰よりも一途に教え導いてくれるのは、今を生きている子どもたちです。そして、今は無意味な事かもしれないけれども考え続けることを諦めないことが、いつか意味があることに近づく希望かもしれないと、私は考えています。

誠実であること

授業を休室にするか否か迷う程の台風のなか、時間厳守でお教室にいらした生徒さんのワンピース半分がびしょ濡れのご様子が気になり、
「今日は何で来たの?」と伺いますと、「バス」と即答なさいました。
「お袖ぬれちゃったの?」重ねてお聞きしますと、「傘さしたの」と、得意気にお話し下さいました。

公共機関を使っての練習を、どんな天候だろうと誠実に実行されているお母様のご様子に頭が下がる思いが致します。子ども達は澄んだ瞳で全てを見ています。きっとお母様のような素敵な誠実な女性に成長されるはずです。

変えない勇気をもつこと

幼稚園受験では、夏までに積み上げてまいりましたものを確固たる育みにするために、今年度終了まで休室なしでカレンダーを組んでおります。小さなお子様たちは、当然ながら些細な変化に影響を受けやすく、双六のように振り出しに戻りやすいと感じており、この時期は特にいつも通りが肝要です。

いよいよと焦る気持ちからか、「家庭で何をしたら良いですか」とよく質問を受けます。「この時期こそ何も変わったことはせず、今まで通りで良いです」と、お応えしますが、腑に落ちないご様子が表情から見てとれることもあります。
中には焦燥感からか、他塾の講習や模試を受講し、かえってお子様は表情を失くし迷走するご家庭が見受けられるのもこの時期です。

今まで通りとは、決して消極的なことではありません。むしろ確固たる歩みに裏付けられた大きな勇気です。

感謝のうちに

親子面接練習を重ねる中で、苦難、絶望、焦燥と様々な感情を時に体験され、それでも諦めずにご家族で乗り越えてこられたご様子を幾度となく拝見致しました。

既にスタートした幼稚園のお試験では、我が家らしさをお伝え出来た安堵と感謝を続々と寄せて下さっています。
慶楓会では、誰一人取りこぼすことなく、感謝のうちに今年度を走り抜けて参ります。

幼稚園受験主任講師 佐藤浩子

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