【コラム】幼稚園受験準備をこれから始める人が知っておきたい、たった1つの本質

子どもの教育を支える「環境」と「関わる人の思い」
初めまして。慶楓会の山野と申します。2025年10月より慶楓会の職員として勤務しております。
私は大学では教育心理学・発達心理学を専攻し、九州で11年間、小学校の教員をしておりました。その後は上京し、ベビーシッターとして、私立幼稚園や私立小学校を目指すお子様の教育に、個別に携わる経験を長きに渡り積んでまいりました。
私は一教育者として、もしくは元教員として、幼児期の教育を支える「環境」と「関わる人の思い」の大切さを常に感じてきました。
教育とは「人」を通して行われる行為です。
幼稚園や学校、先生によって受けられる指導や支援は全く異なってきます。
家庭教育においても、同じ月齢・年齢のお子様にも関わらず、ご家庭によって教育方針や「学び」へ向かう姿勢、お子様に望むことなどは異なってくることから、幼稚園や学校ではその違いはさらに大きくなるということ、容易に想像いただけることと思います。
幼児期の子どもたちは目覚ましいスピードで発達・成長していきます。
「スキャモンの発達曲線」という、20歳を100%としたときの成長パターンをグラフで示したグラフがあります。幼児期には、神経系が大きく発達する他、リンパ系、一般系もまた大きく、他の時期に比べて急速な発達が見られます。
つまり、幼児期の子どもたちは環境や周囲の人から多くのことを学びとって著しく成長・発達していく、非常に重要な時期ということができます。この時期のお子様を育てていく際、親御様がどのような環境と人を「プレゼント」するかにより、お子様の「伸び」や今後どのように成長・発達していくか、が異なっていくともいえるでしょう。
「受験」にどんなイメージがありますか?
慶楓会は、名門小学校・幼稚園を目指すための幼児教室です。「受験のための教室」と聞くと、子どもたちが苦しみながら課題に取り組む、どこか暗いイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
実は私もベビーシッター時代に、担当のお子様をお送りするお教室を垣間見て、同じような印象を抱く場所も、中にはありました。
ところが、私が慶楓会に出会って最も感動したことは、ここでは「子ども一人一人の学びを大切にし、受験対策という小さな枠組みにとどまるのではなく、その子の将来に向けて本質的な成長を支えるような、ご家庭への支援が行われている」ということです。
私の目には、慶楓会に通われているお子様たちはみな表情が明るく、のびのびと楽しみながらお友達と共に学びを進めていらっしゃるように映りました。
都内の幼児教室では稀な、陽の光が入り緑に囲まれた明るい教室で、子どもたちが生き生きと過ごす様子に、「受験のための教室」というものへの印象が大きく変わったのです。
このような形で、子どもたちやご家庭が生き生きと毎日を過ごしながら、名門小学校や名門幼稚園に向かって学びを深める場所が存在することに衝撃を覚えました。
そこで、ぜひ自分自身もこれまでの経験を活かしながら、将来に向けて真摯に努力を重ねるご家庭の皆様のため、力を尽くす一員になりたいと願い、入職をいたしました。
入園・入学はゴールではない
慶楓会では、志望園・志望校への入園・入学を「ゴール」とは考えておりません。
合格は「終わり」ではなく、幼稚園や学校での学びの「始まり」です。その「始まり」のときを、お子様が最も良い状態でスタートを切れるよう、講師たちはご家庭と足並みを揃えながら、指導を重ねていきます。
その過程の中で、時にはお子様にとって課題となる部分の改善を要求されることもあるでしょう。比較に苦しみ、お子様の伸びや未来を信じられない時が出てくるかもしれません。そのような時、大切になってくるのがお子様を取り巻く「環境」と「関わる人の思い」です。
ところで、この記事をお読みいただいている皆様のお子様について、周囲の「環境」や「関わる人」たちは、この先のお子様の未来を共に信じられるものとなっているでしょうか?
慶楓会の環境と思い
この1ヶ月間、慶楓会で、あらためてたくさんの授業を見学しました。
そして、やはり慶楓会の授業はどれも質が高く、講師陣もみな高い指導力の持ち主ばかりという印象を受けました。講師の眼差しや言葉は、優しく温かく、お子様の成長を思う側面からは時に厳しく、お子様一人一人の学びと成長を真剣に考えて向き合っています。
また、保護者の方々ともお話しさせていただく機会もございますが、当会代表ならびに乳幼児・幼稚園受験・小学校受験の各コース主任の思いや、会全体で共有されている理念に共感されて入会なさり、安心してお子様を任せていただいていることを肌で感じています。
先日、2025年10月11日・12日には、東京都の芝公園で開催された「みなと区民祭り」に参加しました。
慶楓会ブースでたくさんの保護者の方とお話しする中で、次のようなお気持ちを吐露される方もいらっしゃいました。
・幼稚園受験や小学校受験に挑戦するか迷っている…
・何をいつから始めればいいかわからない…
・志望する園や学校をどのように選べばいいのかわからない…
・子どもに無理はさせたくないけど、このままでいいのかという不安もある…
・どうしようか迷っている間に(お子様が)あっという間に大きくなってしまった…
慶楓会では、お子様に対して、教育や学びへのアプローチをするだけではなく、保護者様に対しても、志望園や志望校に関するご相談はもちろん、願書添削や面接練習など包括的にサポートする体制をとっています。
それは保護者様に、安心してお子様と準備を進めていただきたい、という思いがあるからです。
また、先述の通り「合格は、あくまでスタート」と考えているので、お子様とご家庭に最も合った幼稚園や学校に歩みを進めていっていただきたい、という思いもあります。
「ご心配な方はどうぞご相談ください」と言われても、突然、相談を申し込むのは勇気がいることでしょう。
また、本コラムをお読みの方の中には、「そもそも幼稚園受験について全く知らないので、そもそも何を相談したら良いのかわからない」という率直な不安を抱いていらっしゃる方も多いのではないかと推測します。
そこで、幼稚園受験を検討されている、またはこれから準備を始めようと考えていらっしゃる保護者の皆さまに向けて、ぜひ知っておいていただきたい「幼稚園受験準備に関する、たった1つの本質」をご紹介します。
本質:受験の「○○」と「○○」を家庭で確認する
受験を検討・受験に挑戦する理由とは?
幼稚園の法的な位置付けは、文部科学省が管轄する「学校」であり、全国共通の「幼稚園教育要領」に基づく教育が行われる、ということになっています。
しかし実際には、各園によって教育方針や保育年数(2年・3年)、特色が大きく異なります。
つまり、お子様が幼稚園に行った後の2年間もしくは3年間、ひいてはその後の学びが大きく異なってくる、ということです。
そのため、幼稚園の進学を前にして、まずはご家庭で次のようなことを話し合い、明確にしておくことが大切です。
「その園の教育を授かることで、どのようなお子様に育って欲しいか」 「その園で行われている教育活動の、どのような点に関心を抱いているのか」 「お子様の将来のために、どのような学びの環境を整えたいか」 |
幼稚園での学びそのものに対する解像度が曖昧なまま準備を進めると、手当たり次第の対策や情報に溺れ、焦りにつながり、受験準備以前に道を見失ってしまうことがあります。
したがって、まずは幼稚園で学ぶことのイメージをご家庭がしっかりと固めることが大切です。
そうすれば、受験準備が過去問対策のような目先の小さな取り組みに陥ってしまうことを避けられるうえ、お子様の成長を一歩ずつ楽しみながら、愛情のある暮らしを送ることで自然に受験準備を重ねていくことが可能になります。
ご家庭の教育観、人生観と照らし合わせながら、「受験を通して目指したい家庭の姿」「お子様に身につけて欲しい力や将来像」をしっかり定め、日々の取り組みを進めていくことが、何より重要なのです。
そして、お子様のわかる言葉で、「何のために」お教室に通っているのか、「なぜ」今頑張っているのか、お父様・お母様がどういう思いで志望園・志望校に進んでほしいと思っているのか、お子様にお話ししてあげると良いでしょう。
親がどのように向き合うか
幼稚園受験においては、実は子どもよりも、むしろ「親」がどのように向き合うかに非常に大きな比重が占められます。
すなわち、何の考えもなく、ただ周りが受験をしているから自分たちも受験をするのだ、というような考え方では、幼稚園受験に臨む姿勢としては心許ないと言わざるを得ません。
また、名の通った有名幼稚園や附属園に通いさえすれば、その先の進学においても心配が減る、といったような進学上のメリットだけを捉えるという姿勢も、各幼稚園が大切にしている考え方とは離れたものになってしまうでしょう。
慶楓会では、名門幼稚園や名門小学校を目指す上で、最も大切なことは「文化理解」であるとお伝えしております。
つまり、親御様自身が日常の言葉遣いや振る舞いを意識したり、どのような経験をお子様に積ませたいと考えたりしているか、そしてその考え方をもとに、いかに意識的に家庭教育を行っているかという、地道な姿が大切なのです。
ご家庭の大切にしているものが、目指す幼稚園や小学校の大切にしている価値観や考え方と相違ないものになっているか、これがまさに文化的な親和性として、考査においても重視される点なのです。
したがって、幼稚園受験準備をすすめるにあたり、意識しなければいけないたった1つの本質は、こうした「考え方」の部分です。
すなわち、
受験の「意味」と「目的」を家庭で確認すること
これこそが幼稚園受験準備の本質なのです。
幼稚園受験をしようと考える意味や目的が不明確なまま、曖昧な考えで準備を進め始めても、それはぐらついた足場を進むような、不安な日々を招くだけです。
そして意味や目的を明確に持たないまま試験当日を迎えてしまうと、「なぜこの幼稚園でなければならないのか」を面接で問われた際に、完全に答えに窮することになります。
幼稚園受験を意識して過ごす毎日においては、受験の意味と目的を明確にすることから、全ての準備が始まっていくのです。
まずは 小さな一歩 から
「あのとき始めておいて良かった」
振り返った時にそう思える日が来ることを信じて、「今」から少しずつ準備を始めていきませんか。
受験は一朝一夕で成り立つものではなく、積み重ねが大切です。お子様の成長や発達段階を見極めながら、今取り組むべき内容やその方向性、そしてペースを慎重に見極め、着実に準備を進めていきましょう。
「受験について考えていたものの、迷っているうちに子どもが大きくなってしまい間に合わなかった」という後悔は、後から挽回することがかないません。準備が遅れると、対策が間に合わないだけでなく、心にも時間にも余裕がなくなってしまいます。
そして理解していただきたいのは、現時点で、幼稚園受験の実態が何も分からないとしても、それは決して恐れることではないということです。ただし、分からないからこそ、親自身の学びと変化を恐れずに情報を収集し、適切な舵取りを見極めていくことが大切なのです。
慶楓会では、「これから準備を始めたい」というご家庭に向けて、体験授業・ご相談を受け付けております。
受験の「意味」と「目的」を家庭で確認するためのお支えを通じて、ご家庭のお悩みを少しでも軽くしながら安心して受験の日々を送っていただけるよう、講師一同、親身にお手伝いいたします。
皆様にお目にかかれますことを楽しみにしております。
執筆
慶楓会 小学校受験コース 山野
体験授業・ご面談も随時承ります






