【コラム】生きていく力
大層仰々しい題名がついておりますが、今回はお子様の成長にとって非常に重要な「生きていく力」についてお伝えしてまいります。
子どもの成長に必要な大人の気づき
子どもの性質は3歳ごろまでに形成されると言われています。「三つ子の魂・・・・」などと言われたりもしますが、最近の研究を参照すると、実は生まれるまでの胎生期と出生直後の時期が勝負ではないかとさえ感じております。
つまり、それほどまでに胎内の赤ちゃん、0~1歳までの無意識の吸収時期の発達は目覚ましく、自己成長能力を惜しみなく発揮できる環境づくりに、私たち大人の正しい気づきが求められるのは言うまでもありません。
試される親としての覚悟
困難が続く社会情勢を熟慮し、私ども慶楓会の最大の強みである「少人数制」を最大の武器と心得、消毒管理を徹底し、2月末には第1回月例親子講習を無事に終えました。
初めてのお友達、初めての先生、いつもとちょっと違う雰囲気のパパとママと一緒のお子様たちは、どこか少し緊張の面持ちで、なぜかいつもよりはしゃぐ子もいれば、貝のように口を閉ざす子、岩のように固く動かない子など、たった2,3歳のお子様たちですから経験値も足らず、これらは起こりうる当然のことであり、私も苦労したわが娘たちとの日々と重なり、微笑ましく拝見させて頂きました。
いつもと違うお子様の様子に、ただただオロオロするだけか、あるいはなぜ出来ないかと怒ってしまうか、それとも「起こりうることは当たり前、でもママとパパは○○ちゃんは頑張れる子って、信じているからね」と、ぎゅっと抱きしめてから深々と担当の先生に「お願いします」と送り出せるか。親子で泣きたくなるような困難な場面でも、必ずや涙の先に成長の喜びがあると信じ、ぶれずに進めるご両親であるか、親の覚悟が試される場面です。
合格の先にある「生きていく力」
子育ても受験も、子どもに無理強いをさせるものではなく、正しいこと、進むべき道を日常生活の中でご両親様の姿を通してお子様に見せ、教え導くものです。かの有名な幼稚園のマ・スールが、望ましいお子様像を話される中で述べられた「生きているお手本の中で育てられたお子様」という言葉は、いわゆるご両親様の価値観、行動が全てと言っても過言ではありません。
よりよい環境での学び、志望園合格のために小さなお子様の手を引いて困難な道を歩き始めたご家族様が、合格の先にある「生きていく力」をわが子に育めたことが何よりの尊い財産であると気づき、ごく普通のありふれた日常を淡々と丁寧に過ごす日々の積み重ねが、将来お子様が生きていく力の原点となり、理不尽でやるせない時にも絶望の中に小さな喜び、希望を見つけられる人となるはずです。
そのお手伝いをさせて頂くのが、私ども教師の使命と心得、共に手を携え成長してまいりたいと心から願っております。
執筆
幼稚園受験コース 主任講師 佐藤浩子
体験授業・ご面談も随時承ります