2025年度
白百合学園幼稚園 合格

日常に「考査に繋がる体験」を
受験準備で最も意識していたのは、生活の中に考査に繋がることを自然に取り入れ、楽しみながら行うことでした。
体力づくりでは、平日は公園で過ごし、週末には山登りや釣りに出かけるなど、太陽の下で元気いっぱいに遊ぶ時間を大切にしていました。もともと夫婦共に田舎育ちということもあり、四季折々の自然の彩りに触れさせたいという思いがありました。
その中で、丈夫な身体を育むだけでなく、自然の中での遊びを通して五感が研ぎ澄まされ、感性や想像力、好奇心、協調性が育まれていったように感じます。小枝や石を使った見立て遊び、家族での役割分担を通した協力の学びなど、多くの気づきやエピソードが日常の中に溢れていました。
活発な兄がリードし、白百合の考査を意識した室内遊びも取り入れました。
お手伝いを通して育んだ心と力
鉢植えへの水やり
亡くなったハムスターを埋めた鉢に花を植え、毎日水やりをすることが日課でした。
「おはよう」「今日も暑いね」などと語りかけながら行うその姿から、使命感や責任感、そして慈しみの心が育っていったように思います。
料理のお手伝い
料理に強い関心を示し、バナナやさつまいもを切る、トマトのヘタを取る、ゆで卵の殻をむく、レタスをちぎるなどを娘に任せていました。料理を通して野菜や色の名前を覚えたり、自分の作った料理を家族に褒められたことが自信となり、さらに意欲が増していきました。
新聞を届ける
毎朝、新聞を父親に届けるのも娘の役割でした。父の膝の上で一緒に新聞を読み、その後は兄も交えて新聞紙を使ってバットやボールを作り野球ごっこ、ドレスや帽子を作って遊ぶなど、創造力を育む時間にもなっていました。
社会性を育てる機会の不足とその改善
娘は、兄や兄の友人と遊ぶことには慣れていたものの、同年代の子どもと関わる機会がやや少ない傾向がありました。児童館などでも、同年代のお友達よりも先生や年上の子どもと遊ぶことを好んでいました。
慶楓会入会当初は、園別クラスのみを受講しており、総合クラスは参加していませんでした。しかし、佐藤先生のすすめもあり、7月から総合クラスを受講するようになると、年齢の近いお子さんたちとの交流が自然に増え、娘は心身ともに大きく成長しました。
この経験から、もっと早くから社会性を育てる環境を整えるべきだったと感じ、反省しております。
想定問答集の早期作成が支えに
佐藤先生のご指導のもと、入会と同時に「想定問答集」を作成したことで、早い段階から家庭の教育方針や志望動機を明確に言語化することができました。
私たちは家族の軸として、「認め合う、支え合う、分かち合う」という「3つの“仕合える”幸せ」を大切にしていました。
また、私の両親は赤ちゃんの誕生に感謝し、恵まれない方々への奉仕活動(慈善事業)を長く行っており、私たちもその精神を受け継いで、スラム街に絵本を翻訳して贈る活動を続けていました。これらはカトリック校の「奉仕の精神」に通じるものがあると、佐藤先生に気づかせていただきました。
想定問答作成を通じて、願書・面接の準備はもちろんのこと、
- 娘の小さな発言や表情に耳を傾ける時間が増えた
- 娘と向き合う時間の中で、親としてあるべき姿に立ち返れた
- 迷いや焦燥を感じた時に、家庭の軸として自分たちを律することができた
といった、精神的な支えにもなっていました。
また、兄が面接官役を務めて入退室の練習を何度も行ったり、佐藤先生との面接練習の際には動画を撮って、表情や癖を客観的に見直す機会とすることも効果的でした。
父親目線での反省
父親としての私の反省点は、もっと早く「自分の役割」に気づくべきだったということです。
受験に関しては、ほとんどすべてを妻が担ってくれていましたが、当初の私は「妻が話してくれたから理解できたつもり」「仕事で面接官もしているから自分は大丈夫」などと、受験を軽く捉えていた節がありました。
しかし、幼稚園受験が非常に奥深く、そして家庭全体の姿勢が問われるものだと知るにつれ、私は「妻の学びや判断を最優先し、自分は支える立場に徹する」というスタンスに変わりました。
妻の心を乱すような軽率な発言を避け、休日は子どもたちと全力で遊び、家族全体が笑顔で受験に臨めるよう努めることが父親としての責任だと、ようやく気づくことができました。
親としての「覚悟」を育ててくれた場所
慶楓会での一番の学びは、佐藤先生の厳しくも温かなご指導を通じて、私たち親自身が覚悟を持てたことです。
たとえば、母子分離がうまくいかず悩んでいたある日、私は佐藤先生に「最近、主人の出張が多くて…」と相談しました。すると、
「でも、どのご家庭のお父様もお忙しいよ。できない理由を探し始めたらキリがないからね」
と諭してくださり、自分ができないことを環境のせいにしていたことに気づかされました。
このときから私の意識は、「仕方ない」から「どうしたらできるか」へと前向きに変わりました。
娘の力を信じるということ
授業の中では失敗もありました。白百合の二次考査対策の授業で、娘は最後まで課題に手をつけられませんでした。
しかし佐藤先生は、
「大丈夫よ! XXちゃん(お嬢様のお名前)のこと先生は信じてるからね」
と笑顔で励ましてくださり、私自身も「考査当日は楽しもう」と気持ちを切り替えることができました。
結果、本番ではスイッチが入ったように娘が積極的に取り組む姿を見せ、子どもは信じてもらうことで力を発揮するという真実を目の当たりにしました。
感謝とこれから受験される方へ
慶楓会では、先生方のきめ細やかなご指導に加え、意識の高いご家庭の皆さまと励まし合いながら学ぶことができました。願書や面接を通じて家族の価値観や背景と向き合い、親自身も成長できたことは、合否に関係なく大きな財産となりました。
考査当日は「家族で元気に園へ伺えること」「先生方とお話できること」そのすべてに感謝の気持ちでいっぱいでした。それは、佐藤先生が日頃から“感謝の心”の大切さを伝えてくださっていたからこそです。
そして、その心がきっとご縁につながったのだと思っています。