I さんの合格体験談

2023年度

田園調布雙葉小学校附属幼稚園 合格

優しい眼差しのもとで幼い時期を過ごしてほしい

我が家は夫婦ともに中学受験を経験していたため、娘にも早くても小学校、もしくは中学校受験をと考えていました。

母親はモンテッソーリ教育が受けられるプロテスタント系教会の付属幼稚園に通いましたが、それ以降、大学までは宗教とは関係のない学校で学んでおりました。

娘の誕生とともに「自分の中の核となるものは何だろう」と考えた時、幼少期に受けたシスターの方々の優しい眼差しとお話をいまだに覚えているということを感じ、「娘にも優しい眼差しのもとで幼い時期を過ごしてほしい」という気持ちを強く持つようになりました。

娘が6ヶ月の頃、近所でモンテッソーリ教育の教室を探しているうちに、偶然慶楓会の佐藤先生にお会いしました。夫婦で先生の面談を受けるうちに先生の楽しいお人柄に触れ、子どもの育ちについても考えるようになりました。

先生とのお話で幼稚園受験について知るなかで「娘にとって最良の選択なのかもしれない」と思い、受験することを決めました。

普段の生活

普段の生活では家庭菜園をしたり、月一回地域のボランティア活動に参加したり、自然の中で親子で楽しむ時間を作ることなどをしていました。

また、親の心持ちや振る舞いは子どもに影響が出ると思い、夫婦二人で渡辺和子先生の「愛と祈りで子どもは育つ」を何度も熟読しました。

父親は、社会で仕事をしていると実力主義や綺麗事では済まない世界に身を置かざるを得ないこともあり、なかなか切り替えが難しかったようですが、娘のためにとても努力をしてくれました。娘の勉強に付きっ切りの母親に変わり、多忙な毎日のなか、家事の手伝いをしてくれるまでに変わりました。

夫婦間の連絡ノート

子育てにおける日々の意見交換の場として、娘が寝たら夫婦で話す時間を設けていました。

また、先生からの「子どもの前で夫婦喧嘩をしないように」とのご忠告を受け、夫婦間の連絡ノートを作り、互いに言いたいことが言えるようにしていました。

意見の対立があるときでも、子どもの前で笑顔でいられるようにするためにとても効果的で、お互いへの要望や子どもに起こった楽しいエピソード、躾で困ったことなどを共有できるようになりました。面接で娘のことを聞かれた際や、願書の作成時にも大変役に立ちました。

子どもの育ちは待つしかない

早生まれの娘を育てるなかで、遅生まれのお友達との差を感じることもありました。いけないとわかっていても他のお子さんと比べることもあり、母親の口調が強くなって表情が曇ると、娘の表情も固くなってしまいました。しかし、そんな時はいつも先生が声をかけてくださいました。

授業中じっと座っていられなかった娘に肩を落としていた時、「その子その子の育ちがあって、子どもの育ちは待つしかない」「子供に100点を期待するのではなく、親が100点を目指しなさい」と言っていただいた言葉は、受験の最後まで胸に深く刻み込まれました。

幼稚園受験は親が決めたことなので、子どもの心の成長に負担をかけない、笑顔を曇らせてはいけない、明るく楽しく、娘には「パパもママもあなたが大好きで、あなたは愛されている存在である」という気持ちが感じられるようにと心掛けました。

2年保育での勉強法

2年保育では、3年保育の受験と違い、繰り返し自宅で勉強しなくてはいけないという問題が出てきます。ほとんどの方が幼稚園に通いながらの受験になりますので、やはり母親は心身ともに消耗するかと思います。

勉強も難しくなってきますので、できなかった時、子どもの気持ちをどう和らげ、前向きに取り組めるよう導くかにとても苦労しました。

できなかったことよりも、できたことをたくさん褒めるように努め、できなかったことは「子どもの自尊心を大切にし、少し時間が経ってから復習するように」との先生のご指導に従い、子どもの調子を見ながら何度も復習を重ねました。

また、簡単なものでいいので勉強をする習慣を身につけるよう先生から勧められましたので、授業の復習や工作など、娘の様子を見ながら朝の15分間集中する時間を作り、試験前まで毎日続けました。また、息抜きとしてソルフェージュを習ったり、静かな空間で娘一人の自由な時間を作ることも心掛けました。

面接練習・願書について

面接練習では、話し方や話す姿勢などの注意点を、非常に具体的にわかりやすくご指導いただきました。先生のアドバイスはその都度メモし、何度も読み直し、実際の試験でも大変役立ちました。

また、願書作成が始まる前から、過去の面接で出された質問についてアウトプットする練習もしていただき、これは願書を書き始める際にとても良い練習だったということを身を持って感じました。

試験直前のアクシデントも笑顔で

試験の時期は温度差のある季節で、幼稚園から風邪など病気をもらってきやすい時期でした。なので、かかりつけ医に事前にお薬をいただいておくなどし、常に娘の体調に対応できるようにしていました。

試験の当日、娘は幼稚園の手前で派手に転び、膝と手を擦りむいて出血して大泣きしてしまいました。内心「何で今ここで!」と思いましたが、泣きたい気持ちを抑えつつ、先生から「いつも消毒液と絆創膏、虫除け、裁縫道具を持つように」とご指導いただいていましたので、笑顔で「大丈夫だよ」と抱き締め、傷の応急処置をしました。そして、こちょこちょっと娘をくすぐって笑顔になったのをまた抱き締め、「たくさんのお友達と遊べてきっと楽しいよ」と言いながら会場に向かいました。

普段から「母親は常に笑顔で」と先生からご指導いただいていたので、その時は必死でしたが、アクシデントでもうろたえた表情を娘に見せることなく、笑顔で乗り越えられたのだと思っています。

受験の経験は子育ての土台に

幼少期の受験は、中学や高校の受験とは違い、子どもの伸びやかな育ち、親子の関わりや親自身の今までの人生の振り返りとその掘り下げ、という要素が大きいため、親自身が時に深く悩み、考えることがたくさんあると思います。

娘が心身ともに健やかに成長するには、今何が必要なのかということを夫婦で真剣に考え、話し合うことが多くありました。その際には、いつも先生が明るくユーモアを交え助言してくださいました。この経験はこれから娘を見守る上で、私たち夫婦の子育ての土台になると感じています。

娘がまだ歩けない頃から見守ってくださった先生方、娘の幼稚園受験に関わってくださった先生方に心より感謝申し上げます。

お父様からのお言葉

私自身は体育会系で宗教教育を受けたこともなく、幼稚園受験で求められる家庭像や父親像などのイメージがまったく分からない中で、手探りの状態で歩んでいくことになりました。

娘が可愛くついつい甘やかしてしまい、どう頑張っていいか分からず、妻が求める高いハードルも乗り越えられそうにないと思い「受験をやめようか」と言ったことも何度もありました、しかし、そのような時でも先生に、我が家の強みについて現実的なアドバイスをいただくなど励ましていただき、いつも穏やかな状態に戻していただいていました。

縁故もなくゼロからの出発であった私たちには、幼稚園受験は決して楽な選択ではありませんでした、しかし、これから娘を育てていく上での指針を与えていただいた貴重な経験となりました。先生からいただいた「甘えさせても甘やかさない」という言葉を心に留めて、これからも過ごして参りたいと思っています。

もくじ