【コラム】学習院初等科に合格する子ども - 2026年 最新版 –

もくじ

はじめに

「よい子になります」という言葉を、学習院初等科の入学式の際に、入学生全員で声をそろえて誓います。「ちかいの言葉」として、子どもたちは本質的な意味を深く理解はせずに口にします。この姿は、まさに学習院初等科をわかりやすく表していると思います。

「意味もわからずに、真似て言葉にしてるだけでは中身がなく、現実的でない」とお感じになるでしょうか。むしろその逆です。

よいと思うものにまず慣れていき、どっぷりと浸かる。そのよさの意味を体感して時間をかけて理解を深める。卒業までの6年間、豊かな感受性を活かしながら、子どもたちは真実を見分け自分の考えを構築しながら本質に迫っていきます。卒業間近に「よい子」について、おそらく考える場面が多いことになるでしょう。

そのような日々は、もしかしたら幼児教室での日々とも似ているかもしれません。

繰り返し行うペーパーや日々のお手伝いも、はじめの段階ではその意味を理解して行うというよりは、「楽しそう」とか「家族に喜んでもらえた」など、子ども自身の心に湧き上がる気持ちを基盤とすることが大切です。そして、繰り返して行うことを楽しみ、社会性を育みながら自分で考えてよりよく行動しようとします。その結果、継続してペーパーを行う力が身についたり、広い視野を持って行動観察の学習で友達と関わったりすることができるようになります。

学習院初等科について

学習院初等科は、2027年で創立150周年を迎えます。

皇族のため、華族のためにつくられた伝統ある教育理念のもと、人格形成を重視した教育を行う学校です。そのために、数年前まで校内を公開することも、ほとんどありませんでした。

今でも、学校見学会に行っても子どもたちを実際に見ることはできません。長い歴史と伝統の中、培われてきた意識のもと、個人情報をしっかりと守っている学校です。

子どもたちは男女仲良く明るく溌剌としており、その姿は学校説明会の動画などから観てとれると思います。基礎基本に忠実に、生活にも学問にもていねいに取り組むところが、他の学校以上に力を入れている点です。

日本文化を大切に、国語教育に重点を置いている学習院初等科の教育は、日本のよさや魅力を本物に触れながら体感し、真実を見分け自分の考えを持つ子どもを育成しています。そして、国際社会でおおらかな品格を備えた上で、堂々と生きていくことができる人間を輩出しています。

入試では、学力というよりはむしろ、子どもの内面・生活習慣・社会性・環境などを重視した問題が出され、多角的に見極められます。

本コラムでは、学習院初等科に合格するお子さまに共通して見られる特徴を、「子どもの側面」と「家庭の側面」から整理し、さらに合格までに押さえておきたいポイントとしてまとめました。

子どもの特徴(5つのポイント)

1. 基本的生活習慣が整っている

挨拶、返事、姿勢、食事のマナー、身支度など、日常の基礎が自然にその場でできることが何より大切です。
これは、家庭生活での積み重ねの結果であり、学習院初等科の「気品あるふるまい」を重んじる校風と一致します。

入試のために身につけた所作が通り一遍であると、試験官にはすぐに見破られてしまいます。そしてその姿を見つけ出す内容を、学校側は入試問題にして見極めています。日頃の積み重ねが、入試でも自然と出るように、さまざまな場に出向いて、その場で適切な振る舞いができるようにしましょう。

2. 聞く姿勢が身についている

先生の話を静かに聞き、指示を理解した上で行動できる力は最重要ポイントです。

「話を最後まで聞く」「わからない時は質問する」といった姿勢が自然にできる子は、行動観察でも安定した行動が取れます。自分の考えばかりを前面に出すのではなく、相手の話を聞いて受け止める姿勢を持つことができているか、友達に先を譲ってあげられているか、など、相手の思いに心を寄せる瞬間を日頃から大切にしてほしいと思います。

日常生活の中で、「立ち止まる瞬間」「一呼吸をおく瞬間」を意識することが大切です。

3. 集団の中で協調できる

友達と協力したり、相手の気持ちを考えたりできる社会性は、個別試験以上に評価される側面です。
場の空気を読み、適切な関わりができる子はよい評価をされます。

私は今、慶楓会にて年中さんの行動観察クラスを担当しております。

一見ただただ遊んでいるだけのように見える子どもたちの何気ない会話の中にも、社会性を身につけて人と関わりあうヒントで溢れています。それを適切に見つけて捉えて、声かけをしたり、考えさせたりしています。

大切なことは、初見に近い子ども同士だけで、その課題に向き合うことです。そのような環境の中で、多くの課題に向き合っていく経験の数が、他者との協調する姿勢を育むことにつながります。

4. 最後までていねいに取り組み、作業に集中できる

入試では、正解率も大切ではありますが「ていねいに取り組む姿勢」が、何よりも重視されます。

スピード感よりも、ものごとに向き合うていねいさ・工夫・最後までやり抜く力が評価される傾向があります。約束の時間内に努力して向き合おうとしていることが、何よりも大切です。

諦めずに最後まで取り組むこと、失敗してもやり直してよりよいものにしようとしている姿勢を、試験官は見極めています。ていねいに仕上げると美しい、と子ども自身が実感して、高みを目指す機会を、日頃からたくさん設けてほしいと思います。

周りからやらされるのではなく、子どもが自分から思って動くことが大切です。

5. 言葉で気持ちや考えを表現できる

難しい言葉を使う必要はありませんが、自分の言葉で話せるかどうかが大きな差になります。そのためには、それまでの豊かな経験が必要です。

学習院初等科が目指している「真実を見分け自分の考えをもつ子」としての素地があるかが、求められている点です。多くの実物に直接触れたり感じたりして、その思いをその都度、言語化する習慣を身につけましょう。子どもは「わからない」「しらない」と言って考えることをやめてしまうことがあります。その際にも、なるべく質疑応答形式で気持ちを引き出して、言葉として発していきましょう。

もしもうまくできないときには、大人が代わりに言語化してその言葉を聞かせるというだけでも経験値として積み重なります。

家庭の特徴

1. 落ち着いた生活リズムがある

早寝早起き、決まった学習習慣、家族の会話など、安定した生活基盤があるご家庭では、子どもの成長も安定します。学習院初等科が大切にする「家庭でのしつけ」「日常の営み」が自然と身につきます。
他の学校でも、ご家庭でのお子様との関わりは重要視されますが、学習院初等科の場合はその傾向が特に顕著です。

お子様に合わせるというよりは、家族が同じ足並みで生活をする中で、役割を果たす場がそれぞれにあることが大切です。その中で互いに感謝できる関係性を、日頃よりつくるとよいでしょう。

2. 親が過度に先回りしない

必要以上に手を出さず、子どもの自立を尊重するようにしましょう。

子どもが自分でできることを、代わりに大人が行ってしまうことで、生活全体は一見スムーズに流れているように見えます。しかし実際は、大人が子どもの意志や感情を奪ってしまったために、子どもは、自分自身で周りを見て行動することができなくなっています。

困った時にどう行動するかを、普段から子ども自身に考えさせる姿勢が、必然的に入試に向けての準備によい影響を与えます。

手を出したくなっても、失敗をしても、まずは見守りましょう。小さな怪我も、経験です。体験して学ぶことが、何より子どもの成長には重要です。

3. 言葉遣い・態度がていねい

親子の日常の会話や態度は、面接でも表れます。品位あるコミュニケーションを家庭で自然に行っているご家庭は、学校の理念と調和しやすく評価も安定します。

日頃より、言葉選びを大切にしましょう。時や場合、相手を見て言葉遣いを選んだり変えたりすることも、経験させてください。実際に入学してからも、語尾に「です」「ます」をつける、人前では「お父様」「お母様」という、など、他の学校よりも言葉遣いに関してていねいに指導しています。子どもだけがていねいに話すということはできません。

ご両親を中心に、日頃よりお子様が真似をしたくなるような美しい日本語を使うように、心がけましょう。それを耳にしている環境の中で、自然と豊かな表現力が身についていきます。すぐに身につく力ではありませんので、毎日継続して行いましょう。

4. 前に出過ぎない奥ゆかしさ

私学の保護者に求められる姿と言っても過言ではない「前に出過ぎない奥ゆかしさ」を学習院初等科では、特に求められます。

周りに合わせること、学校の教育方針を理解して教職員の皆様を信頼して我が子を委ねること、保護者会などでもお話をよく聞いて、できる限り理解を深めて質問をせずにお手を煩わせないこと(受けたお話を一度咀嚼するために持ち帰る)。

それは態度全般を表し、発言だけではなく服装(濃紺)、持ち物(華美にならない)、髪型やアクセサリーにもつながります。

5. 進んでメモをとる習慣

上記の4を少し深めた内容として、保護者会などでいただいたプリントや書類などに目を通すだけではなく、「進んでメモをとる」習慣はとても大切です。小さな手帳と筆記具は常に手元に持ちましょう。

会の中で、配付されました資料の行間に溢れる思いを、先生方が言語として表してくださいます。受け止めてしっかりと自分の言葉として文字にすることは、お子様の日々の積み重ね同様大切な習慣です。

心に残った言葉などはチェックしておいて、願書記入のときに引用したり活用したりするとよいでしょう。

合格までに行うべき大切なこと

1. 生活習慣の土台作りを最優先にする

何よりも大切なのは、日常生活の基本を丁寧に積み上げることです。
挨拶、姿勢、集中、片付けなど、家庭で日常からできることが合否に直結します。

どこまでを子どもが自分自身で行うのかを、子ども自身が意識できるようにすると、家族に必要とされていることを理解して、存在意義や自己肯定感を得ることができるでしょう。

2. 家庭の教育方針を明確にする

学習院初等科の面接では、家庭の考え方や子育ての軸を中心に問われます。

そして、子どもの個別試験同様に、もしかしたらそれ以上に面接に重きをおいている学校と言っても過言ではありません。面接での態度は、入学後のご家族のお姿であると、面接官は認識します。つまり、ご家族でご協力体制のあるお姿はそのまま学校に対する協力体制になると受け止められるでしょう。

「なぜ、学習院初等科を志願したのか。」
「夫婦で連携して、どのように子どもを育てているのか。」

を一貫して話せるように準備しましょう。

そのためには、日常よりご夫婦でお子様をどのように育てていきたいか、関わっているかを、面接では問われます。日々、お子様に寄り添っている具体的な様子を、言語化できるようにしておきましょう。

3. 本物に触れて、感じて動く活動を家庭内でも行う

環境に応じてできることは大きく変わります。

幼児教室だからできることとしては、プロ講師による経験・データを背景にした授業から学ぶこと、初対面に近い子どもたちが集まりその場で自分の思いを伝えたり相手を受け入れたりする活動をすること、などが一般的には挙げられます。

特にわたしども「慶楓会」では、私立小学校の元教員が、初等教育の現場における指導経験はもとより、入試問題作成や考査運営、評価や合否判定を行ってきた経験から指導を行なっており、私立小学校において真に求められる資質や能力を育むための、体系的な学習を重ねることができます。

ご家庭ではどうでしょうか。お子様本位の生活になっていませんか。

時間がないから、機嫌を損ねてしまうから、などを理由にお子様の思い通りの生活になってはいないでしょうか。家で思い通りにしてもらっているのに、外に出て相手に敬意を払うことなど、絶対にできません。

家の中でも、大人が外で働いたり家で家事をしたりするのは当たり前ではなく、家族のため、自分のためにしてくれているという気持ちを、子ども自身が持つことが大切です。いつも自分のためにしてくれている家族に、自分も家族の一員として何かしてあげたい、という構図ができていない限り、自発的な行動に移りません。

子どもは恐ろしいくらいに、環境から影響を受けます。よい、と思う本物(事物はもちろん気持ち)に触れる経験を一緒に行ってください。それは失敗と思われてしまいそうな「衝突」も然りです。

おわりに

学習院初等科の入試は、ただの学力試験ではなく、家庭と子どもを総合的にみる「人物本位」の入試です。日々の生活を大切にすることが、最も確かな受験準備につながります。

学習院初等科の卒業生が、おおらかな品格を備えて、国際社会の第一線で大活躍しているのは、基礎基本を大切にするべき時期に、ていねいにものごとに取り組んだ結果であると思います。多くのことをたくさん吸収する幼少期に、学習院初等科にて受ける初等教育は、お子様の心身共に健やかな成長に大きな力を与え、お子様のよさを活かした人間としての確固たる土台をつくってくれることでしょう。

本コラムが、ご家庭での取り組みや受験対策の一助となれば幸いです。

慶楓会 小学校受験コース講師 野山

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